ときどき,新聞ななどに外来植物・外来動物が問題にされ,駆除すべきであるといわれたり,あるいは,実際に,駆除されたことが報道されることがあります。
例えば,日本ザルの北限生息地である青森に外来のサルが混じっていたり,鎌倉辺りに台湾ザル増えていることが問題にされます。
その排除し駆除する根拠は、科学的な観点から種の固有性を守り混雑を防ぐためということになっているらしいです。
さて、小笠原には固有の動植物があり、世界遺産に指定されました。
世界遺産であり続けるには、固有の動植物を守りそのためには外来種を排除・駆除しなければならないのです、と新聞に書かれていました。
同じころのテレビの番組に、小笠原の近況がでていました。
気候よし、風光明媚、魚うまい、住民がやさしい、住環境がよいので若い人に大人気。
日本中で、住民の減少、高齢化がどんどん進む中で、小笠原は若い人の移住・定着が進んで人口が増えているのです。
それは、好ましいことなのです。
小笠原の住民については、もともと19世紀中ごろまでは無人島であったのが、
アメリカを中心とする捕鯨船が水と食料・燃料をもとめて立ち寄るようになり、
その船員たちの中には定住するものもあらわれたのですが、
その後次第に日本人が多くなっていったとされています。
当然、アメリカ人と日本人の混血も進んだでしょう。
小笠原の人間の固有種とは、なになのか不明ですが、
人間だと移住・交雑がO.K. でwelcomeなのに、
ほかの動植物の場合は駄目という根拠はなになのでしょう。自然界という視野に立てば、ともに生物です。
おそらくは、単純なダブルスタンダード。
人間は、別と考えているのです。
神との契約によって、人間だけがこの世における特別な存在とするキリスト教主義に由来すると考えられます。
それは、ルネッサンス期におけるそれまでの宗教と新興してきていた科学の妥協の結果(成果?)とされるものでもあります。
食料としての動物・植物に対する品種改良と称する人間による意図的強制的交配は、日常的に行われていることと考えられます。
外来種の排除についての納得できる論理をわれわれは持っていないとかんがえるべきではないのでしょうか。