現在、築30数年のわが家の地下室の水漏れを修復中である。建てたときから日本建築は耐用30年といわていたから、まあそんなものかとは思っている。
30年といえば、一世代の指標ともされ、おおざっぱにいえば、社会にでて人間一人前になったと自認し、家でも建てようかと思い立ち、借金(ローン)をし、奇しくも(?)、予定通り(?)30年かかってやっと払い終わったら定年になっていて、後は年金と貯金をちびちび使って死ぬまでなんとか生き延びるというサイクルにうまく嵌め込まれた年月であるように見える。
子供たちに、なにかを少しでも残せれば、オンの字であろう。子供たちは、また同じサイクルで生きる。気が付けば、なんのことはない家のローンを払うために生きているともいえる。
しかし、近頃日本の建造物・建築物の耐用年数に疑問をもっている。
建造物とは、道路・橋・ビルなどを、建築物とは主に個人用の住屋を指すものとしたい。
バブルの時代のほれやれ、されやれで作った道路や橋やらが老朽化だそうだ。
危険な状態なら相応の、その大部分が税金のお金をかけて修復するか、新築しなければならない。
青函トンネル(1988年、今年開通30年記念の金貨発行)の老朽化が始まっているという。
おそらく、本州と四国の複数の架け橋も間もなく仲間入りだろう。
そんなに早く?バカな!誰しも思うと、思うが現実に誰も文句、疑問を呈しないのが不思議なくらいである。
世の専門家といわれる人たちは、意外に自分の世界に起こっていることに無頓着である。
当然と思っている。専門家は、「蛸壺の中の蛸」論は別にする。
しかし、エッフェル塔(パリ、1889年築)、エンパイァステートビル(ニューヨーク、1931年築)なども老朽化しているのだろうか?立て直しするという話は、寡聞にして知らない。Wikipediaには、それらしいことも書いてない。
東京駅前丸の内方面のビルは、多くは第二次大戦後に建てたものだったと思うが、老朽化も一因としてここ10年位のうちに建てかえられてしまい面影もない。
この話を国立大学の土木科出身の友人に尋ねたら、コンクリートは傷まないが一緒に使われている鉄が酸化して駄目になるといった。
外国の建造物も、同じだろうが。。。要は、不審としていないのである。
イギリスの現代ミステリーの本を読んでいたら、産業革命時代の工場・倉庫がリモデリングされてフラットなど(日本的にいえば、アパート、恥ずかしながらマンション)に作り替えられる話が普通にでてくる。売買も活発なようである。
古い、老朽化したからと全面的にぶっこわして新築するよりは、圧倒的にお金がかからないであろう。
テレビなどをみると、欧米の住宅の内装・室内装飾品には年代物の、お金のかかったものが頻繁にでてくる。お金の使い方が違うことがすぐ分かる。
日本は木で作った住宅が多いから。。。
なるほど、「百年名家」がテレビ番組にでる位だから。。。
しかし、法隆寺を始め、数百年から千年超の寺社が全国に沢山ある。
それなりの補修を繰り替えしたものと考えられる。
しかし、このことは、少なくとも30年以上もたせることが技術的には不可能ではないことを示唆している。
ここでは、費用だけから見て補修の方が新築より余計にかかるようなら意味はないとしておこう。
ご近所の建築士が、自分の家を作るのに特別の材料・工法で普通の木造の家屋より長持ちする木造の家を作ったって。。。
専門家でないわたしには、具体的にはまったく分からない。
だが、長持ちの手段はない訳ではなさそうだ。
本旨は、そんなところにはない。
日本人は、根本的に建造物・建築物を修復してでも長く使おうという意識がないのではないかというのが本論である。
「もったいない」の精神がどこかへ捨てられてしまったのである。
専門家がそういうのだからと、従順な人民は文句をいわない図式である。
しかし、このところ専門家の怪しげな振る舞いが、つぎつぎと明らかになってきている。
信用できなくなくなってきている。国のその方面の専門家のトップクラスが、公文書を書き換える?時代である。
ひょっとしたら、建造・建築にかかわる人間が、いつから始めたか知らないが、始めはかなり意図的に、そのうち次第に自己暗示的に当然のこととして、耐用年数の短い、新築を繰り返す材料・工法を採用しているのでないか。
結果的に仕事の量を増やし、継続的に仕事の量、収益を維持できる。
バカにすんな。
30年以上もローンのために働いたんだぞ。
東京オリンピックに、8000億円の国の税金だって。
当初、1500億円だった筈なのに。
大部分は、建造・建築にかかわるものだろう。
恥も外聞もないとしかいいようがない。
税金のむしり取り合いである。
そういえば、科学的にはいつ来るか分からない南海大地震・津波に兆単位の防波堤などを作っているようである。
30年すると、老朽化で、終わりのない税金のぶち込みが待っている。
歴史をみれば、これまで滅亡しなかった国はない。多くは、栄えた後の内部崩壊である。
わが愛する祖国日本は、取り返しのつかない内部崩壊に向かっているのだろうか。