朝日新聞2019年3月9日(土)be3頁サザエさんをさがしての欄に童謡のことがでています。
以前からちょっと気になっていたことがありました。童謡を若い世代が知らないことを憂いています。数年前に、年齢層的に分断があることに気が付いて、まわりにいる人たちに意識的に尋ねてみたことがあります。高齢者といわれるおおむね65歳以上の人たち、とくに女性は、地域のコミュニティの合唱会や介護施設などでよく童謡を歌っていることは、知られています。どうも、45歳から50歳くらいの間に明らかな分断が生じているようです。尋ねてみた結果、子育て中か、済んだと思われる50歳以上の女性はおおむね子供と一緒に歌ったか、あるいは子供に童謡を聴かせたといいます。45歳以下では、ほぼその経験はないといいます。30歳代だと、そのメロディ聴いたことがあるという程度になります。総数で、10名程度ですから、統計的に云々という話ではありません。
分断の生まれた理由は不明ですが、おそらく初等学校教育に起因すものと推測します。幼稚園や保育所などでは、孫の話からして少しは童謡を歌うことがあるらしいのですが。。。学校へいくと童謡を歌わなくなるのはどうしでしょうか。歌詞の内容に科学的でないものがあるから、初等教育に馴染まない?
日本の童謡は、自然にもまわりの動物たちにもとても優しいこころを示しています。東京近辺では6月頃、烏がよく啼きまことにやかましいくらいですが、子がいるからようと歌って、それじゃちょっと我慢するかとします。歩き始めたみよちゃんは、赤い鼻緒のじょじょ(草履?)を土間ではいていて雪が解けておんもに出るのを待ってます。本当にこころが暖まります。
童謡は、日本人の優しいこころの原点と理解していますが、情操教育に役立っていたとするのは言い過ぎでしようか。近頃、自分の子供を死にいたるまで体罰を加える、あるいはそれを黙認する母が報道されますが、童謡世代にはなかったことと思われます。
偶然の一致でしょうか。なにか、教育の点で共通の問題、つまり童謡を学校の音楽から排除したことと、時代を殺伐とさせた徳育の間には関係があるのではないかと疑っています。